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2015年12月10日 (木)

『三十光年の星たち』 宮本輝

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amazon紹介文より

京都に住む三十歳の坪木仁志は、職を失い、恋人に捨てられ、明日の生活もままならない。親に勘当され、金貸しの佐伯平蔵から借りた八十万円の借金を返せるあてもない。そんな坪木に佐伯はある提案をする。それは、借金返済の代わりに坪木を車の運転手として雇い、返済の滞る人びとのもとへ「取り立て」に出かけるというものだった…。圧倒的な物語の愉楽。宮本文学の到達点。

この作品は宮本輝さんが芥川賞受賞から三十年を機に構想・執筆した。テーマは「師弟の物語」だろう。人が人を育てるとはどういうことかを教えてくれる作品である。

主人公は大阪の二流私大を出たあと、何をやってもうまく行かずに転職を繰り返していた30歳の青年・坪木仁志。彼は京都・下京区の平屋に恋人・美奈代と共に住んでいたが、美奈代が手造り革製品の工房を始めると言うのでそれを助けるために同じ平屋に住む老人・佐伯平蔵から80万円の金を借りた。

しかし、製品が全く売れない美奈代はある夜、仁志に何の相談もなく工房を閉めて行方をくらましてしまった。途方に暮れた仁志は、自分の車を売って出来る30万円だけでも先に返済をと佐伯に申し出るが、佐伯はその車は売らずに使わせてほしい、そして、自分が会いたい幾人かの人たちに会いに行く旅の運転手として一緒に現地に行ってもらえないかと申し出る。日当分を借金から差し引くというその提案に仁志が応じ、その最初の旅へ出発する場面から物語は始まっている。

その仁志に、佐伯が語った温かい言葉・・・。

(仁志の)心がとてもきれいだということ・・・。人の痛みを我が痛みと出来る心を持っている。だが、その心を生涯持ち続けるのは、至難の業だ。人の心ほど移ろいやすいものはない。30歳の君のきれいな心が、30年後にどう汚れているか、誰にもわからない。人を見る尺度は、30年だと、ある人が僕に言った。今、僕はその人の言葉の意味の深さがわかる・・・。

「人の心ほど移ろいやすものはない」というフレーズは『田園発港行き自転車』にも出てきた言葉。宮本輝さんの哲学の一つか?

その仁志が「新しい仕事」を始めるのだが、塗料の卸し店で覚えた重いドラム缶の扱い方が、その時に役に立つ。その際、材木店で働いていたとき、そこの番頭さんに言われた言葉を思い出す。

やれ、と言われたことを、やれ。こんなことをして何になるんですかなんて、いちいち訊くな。なんでこんなことをさせられたのかは、何年かあとになってわかる。

佐伯平蔵の言葉も小説の中では非常に重みがある。

服は着られればいい。風呂敷は物を包めればいい。人々の生活がせちがらくなると、安ければいいという風潮が、一種の生活哲学となっていく。だが、それはやがて人間や社会からも大事な思想を奪っていく。 「物」を見る目というのは、人間を見る目でもある。優れた「物」の価値を解せない人は、「他者」をも粗末にするようになっていくのだ。

あとがきには「30前、ある人は私の作家としてのこれからの決意を聞くなり、お前の決意をどう信じろというのか、30年後の姿を見せろ、と言ってくれたのだ。その言葉は、以来、かたときも私の心から消えたことはなかった。」とある。

この本のタイトル、そして30年後という言葉はここに通じているののだな、と得心。ボクが仕事を始めてから30年たった頃はどのような人間になっているのだろう、と思ってしまった・・・・・。


本日の早朝ジョグ6km。

防府まであと10日というのに不調に陥ってしまった・・・・。

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コメント

こんばんは。亀岡ハーフ、まずまず満足する走りができたようでよかったです。
この間、私は吹田万博国際ふれあいマラソン(20キロ、11月29日)、やまぞえ布目ダム(10キロ、12月6日)に出場しました。吹田は1時間30分52秒、やまぞえは42分41秒でした。吹田はこれまでのハーフから20キロに、コースも春先に開催される万博ABCマラソンのような公園の外周道路を4往復するコースになっていました。またやまぞえの方もコース大幅に変更されていました。タイムは私としてはまずまずでしたが、仕事の終わりが遅くなり、思うような調整ができなかったので消化不良気味ですsweat01。次はまた万博記念公園になるのですが、今度は10キロのクロスカントリーです(12月23日)。これはアップダウンがきつく、階段もあるので、今日は阪急今津線の甲東園駅近くで、山陽新幹線が武庫川を渡り、新神戸トンネルに入る直前の近くにある神社の階段で練習しました。かなり足が張りました。気温も高めで、久しぶりに大汗sweat01かいた感じですhappy01
今週もそれなりに忙しくなりそうなのですが、何とか練習時間を確保したいものです。お互い頑張っていきましょう。

あら25さん

2週連続のレースお疲れさまでした。それなりに納得できる走りができたようでよかったですね。
我々はどうしても仕事との兼ね合いがあるので100%完璧に迎えることができるレースってそうそうないですね。
次は万博のクロカンですか。ボクも興味ある大会ですね。機会があれば参加したいのですが、他の大会との絡みでなかなかチャンスがなさそうです・・・・。
クロカンやアップダウンのあるコースは良い練習になると思いますので、フルマラソンにつながると思います。頑張ってください!

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